2020年 12月 21日
森の木陰で育つLapato Organic Coffee
ここはメーワン郡にあるカレン族のクイさんのコーヒー畑。
標高1100mの山の中で育つコーヒーの実は
今、ちょうど赤く色づき始めたところです。
森と共存するカレンの人たちは、
水源地となる森の木は切らずに手入れをしながら、
大切にしていています。
森の木陰でじっくりと育った実は、
赤く艶やかで、いかにもおいしそう。
一粒口に入れてみるとほんのり甘みがありました。
そして、ぱかっとふたつに分かれた種は、
お馴染みのコーヒー豆の形。
赤黒く完熟した実だけを選びながら、
手作業で一粒一粒、
枝を傷めないように摘みとって収穫します。
クイさんはコーヒーの収益だけに
頼っているわけではなく、
あくまで、主食となるお米を育てることが暮らしの基本にあります。
おいしいコーヒーを飲んでもらうことで、
昔から森と共に生きてきたカレンの生き方を
街の人たちに知ってもらいたい、
という願いが込められているのです。
10年前、仲間と共に「LAPATO(レパト)」というコーヒーブランドを立ち上げ、
ファーマーズ・マーケットやコーヒーのイベントなどで販売しています。
大量生産はできませんが、
クイさんの村のほか、
5つの村にコーヒーの苗を配り、
少しずつ生産量を増やしてきました。
収穫されたコーヒーチェリーは
クイさんのもとに集められ、生豆に精製されます。
12月の村の最低気温は5℃。
果肉を取り除いた種を冷たい山水で洗います。
几帳面でとことんおいしさを追求する職人肌のクイさん。
水洗いを丁寧に行いすぎて、
うま味まで洗い流していたこともあったそうですが、
最近は、粘液を少し残した「セミウォッシュド」という方法をメインに精製しているとのこと。
他にも、ハニープロセスやドライプロセスも取り入れています。
今回の滞在は、バンコクから訪れた
コーヒーに詳しいシェフが一緒だったので、
クイさんとシェフのおいしいハンドドリップ・コーヒーを飲み比べるという
とても贅沢なコーヒータイムを体験できました。
どちらも美味しかったのですが、
同じコーヒーでも、淹れ方でこんなに味がちがうのかと驚きでした。
私もこれから家で飲むときは、
ハンドドリップを取り入れてみようと思いました。
ここでお知らせです。
ガイドブック「古都チェンマイのとっておき」をお持ちのみなさま
P122の情報が一部変更になっていますので、チェックをお願いします。
※レパトコーヒー(Lapato Organic Coffee)の販売場所(2020年12月現在)
①毎週土曜日開催のメーヒア地区にあるチェンマイ大学農学部メーヒア・キャンパスのファーマーズマーケット、
②毎週土・日開催のジンジャイ・ファーマーズ・マーケットにてブースを出店し、販売しています。
また、レパト・コーヒーのメッセンジャーからも、
オーダーすることができます(英語可)。
ワット・スワンドークという寺の裏にあるOnuma Green Rabbでは、
レパト・コーヒーの豆を使ったオンヌマオリジナルのコーヒー・メニューを楽しめます。
こぢんまりしていますが、サボテンやテラリウムが並んだ温室みたいな素敵なカフェです。
コーヒー豆も販売していますよ。
注!現在、ソイ・ワット・ウモーンのお店やバーンカーンワットの日曜市では販売していません。
レパト・コーヒーの「レパト」とは、
「聖なる山」という意味があります。
カレンの人たちが聖山として崇めているパーゲーム山に登った時の記事はこちらです。
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