2012年 04月 26日
ドーイタオの布 ティーンジョック・ナムトゥアム ผ้าซิ่นตีนจกน้ำท่วมดอยเต่า
3~4月はあちこちで「ポーイルアン」という仏教行事が行われます。
ポーイルアンとは、お寺のお堂や仏塔、門などを新築したり修復したりした時に
それを盛大に祝うお祭りです。
先日、ソンクラーン(タイ正月)の前に、
友人のいるドーイタオ郡の村で行われた「ポーイルアン」に行ってきました。
ドーイタオは初めて行く場所でした。
車で1時間よ、という人もいましたが、
乗合バスでは乗り換えたり、あちこち寄ったりするので、
5時間近くかかり、さすがにちょっとくたびれました(苦笑)
このポーイルアンの行事の中で、友人が地域の織物の紹介をするというので、
それを楽しみにしていたのですが、
織りの実演や舞踏の披露、貴重な古布も多数展示されていて、期待以上の内容でした。
「ティーンジョック・ナムトゥアム」の古布
ドーイタオの織物といえば、「ティーンジョック・ナムトゥアム」が有名です。
「ティーン」は足、「ジョック」は刺繍織りという意味です。
筒状になった腰布の裾部分(ティーン)に
細かい刺繍織りの布がデザインされているのが特徴です。
チェンマイではメーチェム地方のティーンジョックが有名ですが、
ドーイタオのものと柄が少し違うだけで、織り方も同じ。とてもよく似ています。
シンプルな織物もある
しかし……
ドーイタオの布には、悲しい歴史があります。
実はこの村の人たちは、
1964年にプミポンダムの建設によって村全体がダム湖の底に沈んだため、
今の場所に移り住んだそうです。
布の名前に付けられた「ナムトゥアム」とは、洪水という意味なのです・・・。
さらに、
移住する時に村に織機を置いてきたり、
織機りをやめてしまう人が多かったりと、
一時、この村から機織りの文化がなくなりかけた時があったそうです。
คำมอย
彼女が友人のオイちゃんです。
オイちゃんはいわゆる「第3のジェンダー」の人です。
初めて会ったのは、7年くらい前でしょうか。
彼女はチェンマイ市内でメーチェムのジョック織りを習い始めたばかりでした。
機織りの技術を身につけた彼女は、故郷の布をもう一度見つめ直しました。
そして村に帰って、「ティーンジョック・ナムトゥアム」の古布を収集したり、
織れる村人を探したりしたそうです。
3年前に、村で織物グループを立ち上げ、
伝統的な「ティーンジョック・ナムトゥアム」織りを守る活動を続けてきました。
糸巻きや機織りの実演も
この儀式の中で、村人たち自身が
「ティーンジョック・ナムトゥアム」の美しさを再確認できたのではないでしょうか。
表彰された織り子のおばあさん。うれしそうでした
もともとティーンジョックの腰布は
寺の儀式など、特別な日に身につける晴れ着です。
ポーイルアンに伝統的な「ティーンジョック・ナムトゥアム」をはいて集まる村の女性たち。
またこんな美しい光景を見に、ドーイタオを訪れてみたいと思いました。
(乗合バスはうんざりですが、苦笑)
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