みちくさチェンマイ

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2008年 07月 13日

北タイの伝統楽器サローのコンサート

ティティポン・カンティーウォン(通称ゴー)さんのコンサート
「月映え」に行ってきました。

右はサローのゴーさん。
左はピアノのコラピン・ワシカシリ先生。
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ゴーさんは北タイの伝統音楽界を代表する若手音楽家です。
北タイの音楽といっても、
日本の方にはあまり馴染みがないですよね。

サローという弦楽器、ギターに似たスン、笛、太鼓、鐘などが、
一定のリズムにのってフレーズを自由にアレンジしながら繰り返す・・・
どことなく、日本のお囃子にも似ています。

ゴーさんは、サローにスンや笛、太鼓や踊りまで、全てこなします。
特に、幼少の頃から演奏してきたサローの名手として知られ、
ソリストとして活動し、歌手の加藤登紀子さんと共演するなど
日本でも何度も公演しています。

このコンサートは、昨年、癌で亡くなった染め・織作家の瀧澤久仁子さんと、
建築家のシリチャイ・ナルミットレーカーガン教授を追悼するために開かれました。

だから、演奏された曲は、日本の童謡など、日本人に馴染みの深い曲ばかりです。

生前、瀧澤さんはチェンマイに工房をもって制作をされていて、
ゴーさんは、若い頃から日本での演奏に招待してもらったり、
いろいろとお世話になったのだそうです。

「月映え」というタイトルは、
ゴーさんが瀧澤さんから教えてもらった日本語です。

タイトルについてゴーさんに聞いてみると、

「ある夜、先生が、月明かりを受けて静かに輝いている石を指して、
『月に照らされた美しい光を『月映え』というんですよ』
と教えてくれました。
僕はこの言葉を聞いて、
暗闇でもよく見ると美しく輝いている光がある、ということに、
何か哲学的な意味を感じて、とても印象に残ったんです」

と言っていました。


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左は3本の弦がある特別なタイプ。
ダチョウの卵に漆を塗り重ねた、ゴーさんの手作り。
右は中低音のサロー。
この他に、高音のサローの3本を
曲ごとに持ち替えて演奏していました。


サローという楽器は、
中国の胡弓に似ていますが、
蛇皮を張った胡弓は、
人の声に似た、艶やかな音色なのに対し、
サローはココナッツの殻と木製の板で作られ、
やや固い、少しくぐもったような素朴な音色です。

でも、それは、
まるで木霊が歌っているかのような
穏やかな揺らぎを持った不思議な音。

その昔、
夜になると、年頃の男性はお目当ての女性の家に
このサローなどの楽器を持って行って
窓の外から
演奏を聞かせて気を惹こうとした時代もあったそうです。
は~、ロマンチックですね~。

北部地方の伝統楽器は精霊の世界と通じている
と、ゴーさんは言います。
タイは仏教国ですが、
北タイでは、もともと土着の精霊信仰もあったので、
今でも、仏教を信仰すると共に、
いろいろなものに精霊が宿ると信じられているんです。
なんか、日本と似ているような気もしますね。

楽器をまたいだりしてはいけないのはもちろん、
毎日、演奏の前に楽器に対してワイ(手を合わせて祈る)をします。
これは、音楽を創り、伝えてきた過去の師に対して敬意を払うためであり、
また、楽器には精霊が宿っているから、なのだそうです。


実は、もう、10年以上も前の話になりますが、
私が大学生の頃、
ゴーさんからサローを習ったことがありました。

弦が2本のシンプルな楽器なのですが、それは、もう・・・
「ギーギー」と悲鳴を上げるばかり(苦笑)

美しい音色を出すのも、表情豊かに弾くのも、
見た目よりずっと難しいのです。

そういえば、当時、同年代の私たちは親しみをこめて
「ゴーちゃん」と呼んでいたなぁ。

でも、今回改めて聞いてみると
チェンマイ大学美術学部在学時代から
「今までにない面白いことをしたい!」と、
若き音楽仲間や舞踏家たちと「チャーンサトン」という楽団を結成。
ピアノやフルートなどの西洋の楽器と共演したり、
海外の民族楽器の演奏者とコラボレートしたりと、
当時から、コンテンポラリーで実験的な音作りに挑戦していたんですね!
すごい!
最近は、「ゴー先生」と呼んでしまう私・・・。

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                   お寺で演奏する「チャーンサトン」

今回のコンサートで演奏された曲は、
「赤とんぼ」、「故郷」、「荒城の月」など、日本人なら誰もが知る曲ばかり。
ダンナは「おぼろ月夜」の演奏が良かったと言っていました。
「島歌」のリズミカルな演奏には、一際大きな拍手が贈られていました。
私はゴーさんオリジナルの「なると」と「月映え」という曲が良かったなぁ・・・

なにより、
タイ人のゴーさんが
日本の曲をこれほど情緒豊かに演奏してくださったことに、
とても感激しました☆
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家への帰り道、
空を見上げれば「おぼろ月夜」。

美しいものは、なんで切ないんだろう・・・。
は~。
柄にもなく、しんみり染み入りました。

日頃、乱雑に暮らし、
精霊の世界を感じるような感性を持ち合わせてはいませんが、
ゴーさんの音楽は、確かに聴く人の魂に触れました。
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by yunkao | 2008-07-13 02:22 | 私のお気に入り


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