2012年 02月 05日
チェンマイ盆栽世界
昨年、帰国した時に、
友人が豆盆栽という小さな盆栽のコレクションを見せてくれました。
小さい植木鉢まで含めて、芸術的な面白さがありますね。
日本では若い人のあいだでも
盆栽が静かなブームなのも頷けます。
そして。
実はチェンマイにも、「盆栽クラブ」なるものがあるのです。
1982年から活動をしている「チェンマイ盆栽クラブ」の人たちは、
毎年、植物をテーマにしたお祭りに参加して、
自慢の盆栽を披露しています。
今はチェンマイで花祭りが開催中ですが、
そこでも展示しています。
お堀の南側にある
ブアクハート公園の前の通りに立つ植物市の一角に、
専用のブースがあります。
メンバーは全員おじさんなので、
その渋い雰囲気になかなか中に入っていく勇気がなかったのですが、
知人がこのクラブのメンバーということが分かり、
近くで見せてもらいました。
盆栽というと松?、と思っていましたが、
いろんな木があります。
「ワ・・タ・・シ・・ハ・・・ウチュウジン・・・」みたいな盆栽
特に、タイの木の盆栽は、いかにも南国風。
あっけらかんとしていて、
ちっとも難しそうな顔をしていないところに、
個人的に親しみを感じました。
例えば、
ドークゲーオやトンモークという木は
白い花がとってもいい香りなんですよ。
トンモーク。清楚な花からはさわやかな香りが。
こちらはブーゲンビリア。華やかですね。
よく民家の周りに生えている食べられる植物もあります。
スープに使うときなどに、葉をプチっとちぎったりするので、
ついプチっとやりそうになりますが、
盆栽になると丹精込めて育てた芸術品なので、
気をつけないと怒られます。
中には樹齢50年という盆栽もあるそうです。
この実は食べられる?
ここでは展示だけでなく、盆栽の品評会も行われます。
盆栽と一言で言っても、
いろんなスタイルがあるんですって。
品評会では、その各部門ごとに
1~3等賞が決められます。
「こちら側から日が当たるとしたら、この枝の姿は不自然だ」
「手入れが行き届いていない」
「文句なしにこれが一番美しい」
もの言わぬ盆栽の代わりに、
審査員(クラブのメンバー全員)は熱い議論を交わします。
こちらも、メンバーのお一人。ソムチャイさんです。
盆栽について、こんな話をしてくれました。
「盆栽は生きている芸術です。
2週間も放っておくと、姿が変わってしまう。
だから、盆栽を見ていると、
その鉢の手入れをしている人間のことが見えてくるんですよ」
この盆栽の奥深さが、
チェンマイでも愛されている理由なのかもしれませんね。
盆栽に若干あこがれはありますが、
ちょっとまだ私には育てられる自信がないので、
しばらくは、クラブの方の盆栽を眺めて、楽しみたいと思います。
このおじさんは、小さな盆栽が好きなんだそうです。
「豆盆栽」という日本語もご存知でした。
「毎日肥料をやったり、水をやったり、針金を巻いたり・・・
盆栽は、まるで娘のようでね、かわいいですよ。
家にあるときは、どれも文句なしにきれいなんだけど、
ここに並べると、器量が悪くて……賞がもらえないんだよね」
と笑っておられますが、
今回の審査では、
豆盆栽部門で、おじさんの鉢が1~3位総なめでした!
良かったですね、おじさん。
花祭りは5日いっぱいまで開催中です。
盆栽クラブもお見逃しなく!
「パオーン」象みたいな豆盆栽
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