みちくさチェンマイ

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2012年 01月 22日

森と生きる ①森のコーヒー วิถีชีวิตปกาเก่อญอ①

前回のブログでも紹介したノンタオ村
そこに暮らすカレン族の人々は
森の暮らしの達人です。

彼らの生活に触れ、
今、都会で暮らす人にとっても
幸せに生きるための大切なことが、たくさんあると感じました。
それは、私にとって衝撃的なことでした。

その後、この村の青年グループのリーダー的存在である
スエさん(シワゴン・オードーチャオ)さんにインタビューする機会があり、
チェンマイの現地情報誌「ちゃ~お」に記事を書きました。

今回は、その記事を加筆修正し、
長いので、4回に分けてUPしてみます。

興味のある人は読んでみてくださいね。
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                                                  ノンタオ村
チェンマイの市街地より南へ約40キロ離れたメーワンの町から、
タイ最高峰であるインタノン山の方角へ、車で約1時間。
でこぼこの山道を行ったところに、「ノンタオ村」がある。

300年以上もの歴史があるカレン族の村で、
村人は自分達のことを 「パガヨー」と呼んでいる。
(※1 カレン族はタイの山地民の中で最多数を占める民族。多数のグループがあるが、タイ国内では4つのグループに分けられる。
「パガヨー」は一般的にスゴー・カレンと呼ばれるグループである。)

 

人口は560人。
そのほとんどが農業をしながら、
ほぼ自給自足の暮らしを営んでいる。


今回、お話を伺ったのは、シワゴン・オードーチャオさん。
パガヨーの名前は、スエさんだ。

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                                                Siwakorn Odochao

スエさんは、農業を営む傍ら、区村行政委員会(オーボートー)の委員長秘書をしている。
そして、パガヨーの伝統文化伝承を目的とした村の青年グループのリーダー的存在でもある。

スエさんのお宅の庭には、果樹やバナナの葉の陰で、
人の背丈よりも少し低いくらいのコーヒーの木が
赤や黄色の実をつけていた。
「コーヒーの木は、木陰でじっくり育つほうがいいんです」
とスエさんは言う。

村の各家庭の庭の木陰に
このようにコーヒーが植えられているのだ。

村のコーヒーは、約30年前に国連や王室プロジェクトの一環で、
阿片の原料となる芥子栽培(以前は合法だった)に代わる作物として、
梅や柿、梨、アボガドなどと共に導入された作物の1つだ。

しかし、コーヒーを飲む習慣がなかった村人はあまり興味を持たず、
さらに販売ルートも確保されていなかったため、
長年収穫されずに放置されたままになっていた。

その後、何年もたって、村の暮らしも少しずつ変わり
村人の中にもコーヒーを飲む人が増え、(ほとんどインスタントコーヒーだが)
コーヒーの木に関心を持つ人が出てきた。

それで、スエさんらが再び村のコーヒーの木に注目し、
3年前から収穫するようになったのだそうだ。

この3年間、チェンラーイ県の同じような山岳部のコーヒー産地を見学し、
試行錯誤を重ね、
収穫量はまだまだ少ないが、
ようやく美味しいコーヒーが作れるようになってきた。


飲めるコーヒー豆ができるまでには、下記のように多くの行程がある。

①収穫
②収穫した実を水につけ外の果実を剥く(実は堆肥にする)。
③2~3日水につけてぬめりを取り、さらに4,5回洗う。
④天日に1週間~15日間干す。
⑤麻袋にいれて保存する。
⑥焙煎前に薄皮をとる。
⑦ざるを振って薄皮と種を分ける。
⑧村で飲む豆は土鍋で焙煎し、販売するものはチェンマイ市内の焙煎所に焙煎を依頼する。



村人らが収穫した赤く熟したコーヒーの果実は、村の1カ所に集まってくる。
その後の、皮むきから乾燥、精製、焙煎までの作業は、
村の青年グループが手分けして行う。
熟成期間も含めると、少なくとも半年はかかる。 
 
想像以上に時間がかかる大変な作業だが、
乾燥させた豆は数年保存できるという利点もあるのだそうだ。

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                                      写真は昼間ですが
 
私が訪れた12月のノンタオ村は、南国タイとはいえ、夜はかなり冷え込む。
そんな中、青年グループのメンバーが
手作業でコーヒー豆を洗い、不良豆を選別していた。
水は冷たく、辛い作業だが、
長時間放っておくと実が痛んでしまい豆の質が落ちるので
大切な作業なのだという。

ほかのコーヒー農園に比べて、
すべての過程がより丁寧に行われるのが
ノンタオ村のコーヒーの特徴だ。
そして、それが味にも現われるのだそうだ。




翌日、村から少し離れた森へ、
コーヒーの実を摘みに出かけた。
30年前に植えられた森のコーヒーの木が実をつけているという。

なだらかに続く山道の途中、
稲刈りを終えた棚田をいくつか通り過ぎる。
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スエさんの棚田もあった。
牛が草を食んでいる。
 
重そうな背負子を背負った老婆とすれ違った。
山道なのに、素足だった。
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                                    すれ違ったおばあさん


「着きました。ここですよ!」
と言われても、一見どれがコーヒーの木かわからない。
 
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コーヒーの木は森の木影で、
他の植物と雑ざり合うようにして生えていた。

「この地域は、村人が自主的に『木を切らない』
と定めている森林保護エリアですから、
木は1本も切りません。

木陰に育つコーヒーは、
成長には時間がかかりますが、
樹の下の地面は水分が豊富です。
乾燥から守られ、
じっくりと栄養を蓄えながら育つコーヒーだから、おいしいんですよ」
コーヒーの実をつみながら、
スエさんがそう説明してくれた。

今年はあいにく不作のようで、
収量はわずかで残念だったが
実際に森の中に育つコーヒーを初めて見ることができてよかった。
こうして30年間、
人知れず実をつけていたのだ。
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「コーヒー・チェリーは食べられるんですよ」
とスエさんが言うので、ひとつ食べてみた。 
赤く色づいた実は、ほんのり甘かった。



②受け継ぎ、伝えたい森の知恵 วิถีชีวิตปกาเก่อญอ②につづく










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by yunkao | 2012-01-22 03:46 | ちょっと遠くへ


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