2011年 12月 04日
つるのおんがえし
とお願いされ、
「つるのおんがえし」を読んであげました。
文はまつたにみよこさん、絵はいわさきちひろさんです。
日本に帰った時に古本屋でゲットしました。
いわさきちひろさんの絵は、
タイでも人気があります。
ちょっと切ないお話だけど、
美しい絵を味わってもらいたいな、
あと、タイは寒い冬がないから、
日本の冬の景色を伝えるのに、いいかもしれない。
タイ人の読み聞かせを聞くと、
タイ語の独特のリズムと抑揚を活かしていて、とっても楽しいんです。
私のタイ語では、とてもそんな風にはできないので、
つるの鳴き声を入れたり、
機織りの真似をしたり……、
お話からかなり脱線します(読み聞かせじゃないですね、苦笑)
とかしていると、
いよいよお話のクライマックスがきました。
機織りをする姿をのぞいてはいけない、
という、むすめとの約束を破って
おばあさんが、そっとのぞこうとします。
「やめろ、ばあさま!」
と、止めるおじいさん。
ここで、子供たちに聞きました。
私 「約束、覚えてるかな?
織ってるところ、見てもいいのかな?
それとも見ないでおく?」
子供たち 「見てもいい! 見てもいい!」
「見るー! 見るー!」
のぞいた部屋では、
つるが一羽、
自分の羽を抜きながら、機を織っていました。
機場の戸が静かに開いて、
やせ細ったむすめが出てきて言いました。
「じいさま、ばあさま、わたくしは、ゆきの日に
たすけてもろうた つるです。
すがたを みられては、もう おそばに いられません。
おわかれします」
むすめはそういうと、
みるまにつるの姿になって、
こうと一声鳴いて、夕焼けの空に舞い立っていきました。
子供たち シーーーーン
タイの絵本にはない、なんとも切ない後味です。
子供たちの中には、泣き出しそうな顔の子も・・・。
こんな空気にしてしまって、いいのだろうか・・・(汗)
でも、約束の厳しさや、
誰にでもいつか必ずやってくるお別れの日のこと、
そんなことを、このお話は教えてくれます。
子供向けの絵本は、ハッピーエンドが多いのですが、
こういう悲しいお話の方が、心に残るものかもしれません。
子供たちがこのお話のことを覚えておいてくれたらいいな。
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