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ポーイ・サーンローン

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日本は端午の節句でしたね。
北タイで男の子のお祭りといえば、
ポーイ・サーンローンを思い浮かべます。

ポーイ・サーンローンというのは、
タイヤイ(シャン族)の得度式のことで、
3月から4月の農閑期に、少年たちが出家をする際のお祝いです。
きらびやかに着飾った少年が
肩車をされてパレードをするとても華やかな儀式です。

敬虔な仏教徒にとって、出家するということは
大変な徳を積むことができる善行です。
両親は息子を出家させるため、一生懸命お寺に収めるためのお布施を貯めます。
だから、ポーイ・サーンローンのお祭りは、
タイヤイの人たちにとって新年祭よりも重要な行事で、
一年で最も盛大に行われるそうです。


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チェンマイでは、ワット・パーパーオのポーイ・サーンローンが有名ですが、
ミャンマーから逃げてきたり、出稼ぎで来るタイヤイの人々の人口が増えたため、
最近になってワット・クータオというお寺でも盛大にお祝いされるようになりました。
今年は78人の少年が出家したそうです。

ワット・クータオのシンボルでもあるひょうたん型の仏塔と、本堂の周りを、
出家前の少年を肩車した人たちが踊りながらぐるぐると回ります。




出家すると黄色い袈裟を着るのですが、
その前に、このように着飾ってお祝いの儀式をします。
出家前の少年たちは神聖な存在とされ、
地面に触れさせないように、どんな時でも誰かが肩車をして運びます。
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しかし、少年と言ってもこんなに大きな人も!
肩車をしている人と背丈はあまり変わりませんね(重そう・・・)


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気温は40度を越える猛暑の中、
立っているだけで汗だくだくなのですが、
大きな太鼓やドラのリズムに合わせて、
皆さん、踊りまくっています。
すごい熱気! 楽しそうです!

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おっとっと~!
地面に触れさせてはいけないのですが、
わざとこんな風に、ぎりぎりに下げて踊る人もいます。
足腰が丈夫ですね~

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こちらも、おーっとっと~!
本堂前ではお寺へのお供え物をつるしたおみこしを
大勢の男性が担いで、激しくぐるぐる回したり、
ものすごーく、傾けたり。
(ちょっと激しすぎて、途中で支柱が折れていましたが、苦笑)
なかなか、迫力があります!

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主役の少年たちは、お化粧も施されて、まるでお人形のよう。
きらびやかな衣装やお布施など、
親御さんは、この日のためにずっと前から準備してきたのでしょう。

1人出家させるのに、4~5万バーツ(約15万円)の費用が必要なのだそうです。
これは出稼ぎに来ているタイヤイの人たちにとって、大変な金額です。
この費用が出せない場合、兄弟や親戚に出してもらったり、
時には血縁関係のない全くの他人で、子供のいない人が、
変わりに出すこともあるそうです。
(シャン州では資金を出した人が年老いた時に、
親として老後の面倒をみてもらうこともあるといいます)
みんながなるべく平等になるようなシステムですね。

また、タイヤイの人々にとってお寺は、
自分たちの文化を継承するための教育機関でもあるので、
子供の教育費を出すようなものなのかもしれません。


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朝早くからの儀式が3日間続き、
この日はその最終日でした。
さすがに疲れたのでしょう、
肩車の上で寝ちゃっている子も(笑)


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暑い中、長時間、熱狂的に踊る人たち。
親の世代の95パーセントがミャンマーのシャン州から来ていると聞きました。
(子供たちはタイで生まれている場合が多いと思いますが)
皆さん、踊りながら故郷を思い出しているのでしょうね。
by yunkao | 2010-05-05 01:19 | きらきら☆歳時記

タイ・チェンマイをのんびりみちくさ☆ゆかいな写真ブログ


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