2010年 01月 25日

梅と桜の咲く頃(国境の村)

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ピヤンルアンというミャンマー国境にある村を訪れました。
チェンマイから車で4時間、山道を走ります。
途中、山の斜面が一面ピンク色に染まっているところがあり
車を停めて写真を撮りました。

北タイの山岳地では、1月ごろが桜や梅の季節になります。
桜といっても日本と同じ種類ではないのですが、
花の形はとてもよく似ているんですよ。

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この村はもともとタイヤイ(シャン族)の村だったところに、
中国人(国民党)や、リス族、カレン族、パロン族などの
山岳民族の人々が住むようになったそうです。

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村の学校で生徒さんたちがタイヤイの踊りを披露してくれました。
ほとんどがタイヤイの生徒だというこの学校では、
時代と共に忘れさられようとしているタイヤイの伝統文化を
次の世代に伝えていこうという取り組みが行われています。
彼女たちはバンコクでも踊りを披露したそうですよ。




さて、
まだ日も昇らぬ早朝5時半に、村の朝市に出かけました。
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村では毎朝5時前から朝市が立ち、明るくなる頃には片付けが始まります。
標高が高いので、気温が低く、吐く息が白い! 
思わず、「は~(と白い息を見る)、さむ~!」と繰り返してしまいました(笑)

そういえば、泊まった宿泊施設では水しか出ないので、
シャワーにはかなり気合が要りましたよ(涙)

こんにゃくや納豆など、日本食でもお馴染みの食材も並んでいます。
紫色のもち米でできた胡麻入りの「タイヤイ餅」を、お土産に買いました。


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お昼は朝市で買った食材で作ったタイヤイ料理が並びました!

手前から時計回りに、
高菜のカレー炒め、しょうがと唐辛子で炒った納豆のふりかけ、
野菜たっぷりのスープ、しょうがのナムプリック、
スパイスに漬け込んだ豚肉炒め、こんにゃくの酸っぱいサラダ・・・

ふ~! どれもこれもどこか懐かしいような味。
納豆のふりかけ、最高でした。



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そして、村の近くにあるワット・ファーウィヤンインというお寺に行きました。
タイヤイのお寺なので、チェンマイでよく見る仏塔とはまたスタイルが違います。
この仏塔の中で、静かに瞑想をしているお坊さんがいました。


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この近辺の地図です。
ちょうど指を刺している辺りにこのお寺があります。
赤い線側がミャンマー領、青い線側がタイ領。

村を案内してくださったSさんは、
国境を越え、さらにずっと奥にあるタイヤイの村の出身です。
ミャンマーの歴史の中でタイヤイ族などの少数民族と軍事政権との間には
複雑な事情があります。(詳しくはwikipediaなどを参照ください)
隣国であるタイでも、多くのミャンマー出身の少数民族が暮らしています。

Sさんは、
「私の故郷でも、いつも1月の初旬に桜の花が咲くので、
『お正月の花』と呼ぶんですよ」と、教えてくれました。


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お寺の敷地にある丘を登れば、ミャンマーの領土が見下ろせます。
この辺り一帯はもともとこのお寺の敷地だったのですが、
7年程前にこの地でミャンマー軍とタイヤイとの戦闘が起こり、
その結果、ひとつのお寺でありながら、
タイとミャンマーの両国に分けられてしまったのです。
そして、以前は開かれていた国境も完全に封鎖されてしまいました。

写真に写っている屋根が幾層にも重なった建物は、
もとは同じお寺のものでしたが、今は誰も住んでいません。

目の前の斜面には柵もなく、
一見、トコトコと簡単に下りて行けそうなのどかな風景に見えます。
でも、村人の話では地雷が埋まっているので誰も近寄らないのだそうです。

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ミャンマー領地のお寺は廃墟となっていますが、
タイ側では、お坊さんたちが熱心に勉強をしていました。







翌日、ピヤンルアン村の側にあるグンジョー村にも連れて行ってもらいました。
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この村の人々はもともとミャンマー領内に住んでいましたが、
村がミャンマー軍に襲撃され、命からがらタイへ逃れて来たのです。
今、1200人以上の方々がこの村で生活をしています。

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村を訪ねる数日前、
たまたまタイのテレビでタイヤイ難民の少女のドキュメンタリー番組を見て
衝撃を受けたばかりのところでしたが、
正にその彼女に会いました(一番左)。

彼女はこの難民村で暮らしながら、タイヤイの伝統芸能を学んでいます。
番組では彼女達の踊りや美しい歌が放映されていました。
村が襲撃された日のことや、
できるならもとの村に帰りたいということを、
カメラの前で淡々と語った彼女。
家の手伝いはもちろん、
村の子供たちに簡単な英語を教えたり、衣装を縫ったり、
16歳とは思えないほどしっかりしています。
実際に会った彼女は、テレビでみるよりもずっとかわいらしい感じでした。
普通なら、学校に通って将来の夢に胸を膨らませている年頃だと思います。





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村の梅の花が満開で、辺りにはいい香りが漂っていました。

竹で作られた粗末な住宅ばかり。
それでも、村中きれいに掃き清められていて、
つつましくも精神性の高い人々の暮らしぶりが伝わってきました。

村人はIDカードが無いため、勝手に遠くに移動してはいけないし、
タイ人のように社会保障を受けることができません。

Sさんは
「悪いことなど何一つしていないのに、
難民というだけで罪人のように見られるんです」とおっしゃっていました。

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ミャンマーでは未だに
軍と、タイヤイやカレン族などの民族間で紛争が続いています。

一日も早く、
彼女たちが故郷で、
桜や梅の花を見られる日が来て欲しいと思います。
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by yunkao | 2010-01-25 02:38 | ちょっと遠くへ


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